炭酸飲料製造の手順

(通常の強炭酸の作り方を示します。)




1.飲料500mlを冷やします
強炭酸を目指す方は、飲料をしっかり冷やしてください。理想は、「凍らない温度」かつ「低い温度」です。チルドが理想です。
これは、二酸化炭素(気体)は低温液体ほど溶け込みやすいという性質があるためです。また、凍ると二酸化炭素が溶け込まなくなるばかりでなく、容器を破損してしまう恐れがあります。

2.キリツボ一式を用意します。
キリツボ本体、支持台、炭酸用ペットボトル(1000ml用)、フィルター付き炭酸用ペットボトル、クエン酸、重曹、計量カップ、計量スプーン、粉末ロート、を準備します。 2つの開放弁カバーがキリツボにしっかりと取り付けられているか確認します。パッキンがキャップにはめ込まれているか確認します。



3.二酸化炭素発生のための容器をセットします。
計量カップに150cc175ccの水(ぬるま湯)を注ぎます。フィルター付き炭酸用ペットボトルにロートをセットします。計量カップ内の水(ぬるま湯)をフィルター付き炭酸用ペットボトルに注ぎます。(この時、フィルター濡れた状態)


濡れていない他のロートをフィルター付き炭酸用ペットボトルにセットします。重曹を計量スプーン1さじ(30cc)すくい、フィルターに落とします。クエン酸(30cc)を、重曹同様に、フィルターにめがけて落とします。

(イラストでは、明瞭さを目指すため、粉末色を緑と紫にしていますが、実物は「白」です。)
この段階で、重曹やクエン酸の粉末はフィルターの上部にあり、水(ぬるま湯*)はフィルターの下部にあり、水と粉末類は接触していません。よって化学反応はまだ起きません。


4.飲料側のボトルをセットします。
炭酸用PETボトル(1000ml)に手順1の飲料500mlを注ぎます。

イラストの通り、ボトルの下半分だけ飲料が満たされますが、問題ありません。

5.キリツボで密閉空間を完成させます。
キリツボ本体(圧力計側のキャップ部)に手順4のボトルをしっかり締め取り付けます。
(しっかり締めないと空気漏れが起こる可能性があります。左手でキリツボを持ち、右手の指をボトルの底の凹凸にはめ、ひねるとしっかり締まります)

また、転倒を防ぐために、支持台を用います。


手順3の重曹クエン酸入りボトルをキリツボに取り付けます。これも、しっかり締め、取り付けます。
ボールバルブ2を「閉」にし、ボールバルブ1を「開」にします。

これで、外部から遮断された、密閉空間の出来上がりです。(下の右側のイラストは、キリツボを緑の仮想面で切断した時の断面を示しています。赤で囲われた領域が密閉された空間です。)




6.二酸化炭素を発生させます。
両手でそれぞれのペットボトルを軽く持ちます。
まずは、フィルター付きの炭酸用ペットボトル(右手側)に意識を集中します。

重曹・クエン酸・水を混合させるため、水を粉末に接触させなければなりません。そのため、ボトルを上下に振ります(下の左イラスト)。下の右イラストのようにフィルター下にある水を、フィルター通過させ、粉末まで移動させます。
この時、注意していただきたいのは、右側のボトルにおいて、イラストの×印より上に水を移動させないようにすることです。水が×印より上方に移動すると、クエン酸重曹の溶液が飲料に混入し、飲料の味を損ねてしまう可能性があります。


7.KIRITSUBO内部の圧力を上昇させると同時に、飲料にCO2を溶け込ませます。
重曹・クエン酸・水の化学反応によりCO2は生成され、KIRITSUBO内部の圧力は上昇していきます。内部の圧力(内圧)は圧力計により知ることができます。
内圧上昇が始まったら、今度は左右のボトルと圧力計に意識を集中します


圧力の上昇を確認したら、左側ボトルを意識しながらボトルを上下に振ります(右手側をほぼ固定し、左手側を大きめに振るのがコツです)。このシャッフルにより、ボトル内部の水が拡散し、二酸化炭素と接触する飲料の面積が増えます。結果、CO2は飲料に溶け込むため(飲料炭酸化のため)、内圧が下がります

右側のボトルのシャッフルは内圧上昇(CO2発生促進)、左側のシャッフルは内圧下降(CO2の溶け込み)になるものとご理解ください。
圧力計を見ながら、ゲージ圧0.55MPaゲージ圧)を超えないよう、左右ボトルをシャッフルし調節をします。

(ゲージ圧0.55MPa(ゲージ圧)以上になると、開放弁が働き始めます。開放弁が働くと内部のCO2は外に出ていきますので、結果、原料を無駄にすることになります。超えないようにうまく調節しましょう
上の図は、0.55MPa(ゲージ圧)以上になり開放弁が働いている状態です。開放弁が働いた結果、CO2が外部に放出され、ゲージ圧が下がります。


8.お好みのタイミングでバルブの開閉を行い、炭酸飲料を得ます。
目標の圧力値に達したら、バルブ1を「閉」にし、バルブ2を「半開」にします。バルブ2を急全開しないようにしてください。(これは、圧力解放時ペットボトル内の泡が急成長し、吹き出しの恐れがあるためです)。

泡が破壊され、消滅するまでゆっくり内圧を下げていきます。
泡が完全になくなったら、右側ペットボトルをキリツボから外します。
そして、キリツボを強く15回程度、強く、振ります。


9.炭酸飲料の出来上がり、そのまま飲むか、保存するかはご自由に。
撹拌を終えたら、バルブ1を「開」にし、内圧を大気圧にします。

炭酸飲料の入ったペットボトルをキリツボから取り外します。あとは、グラスに注いで飲むか、炭酸用ペットボトル500mlに移し保存します。(炭酸用ペットボトルに保存する場合、満タンになるまで飲料を入れてください。また、ふたはきつく締めましょう。保存温度は0℃に近いほど良いでしょう。そうすることにより、保存中、炭酸の強度が損なわれずに済みます。)

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